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2009-05-31 (Sun)
 〈 王室御座船博物館 〉にまたまた行って参りました。昨年末にはまだチャオプラヤー川西岸のバンコク・ノーイ運河の水が引けておらず館外から眺めるばかりでしたので、今回は艇庫に入っての嬉しい見学・・・でしたが、後日撮った画像がPC不調のため全消去・・・ということでまた行きまして。

以前の記事にも書きましたが、もう少し調べましたので記します。
〈 王室御座船 〉とは嘗てスコータイ時代に王が灯篭流しの為に乗船したことから始まり、特に
アユタヤ時代になって水路は他国との文化と物品の交流地でもあり、敵外国からアユタヤ王朝を守る砦でもあったため船舶の製造に大変多くの力が注がれ、都がバンコクに移されたのちもその名残りは王室行事に受け継がれ、現在も国の重要な式典には川を下る行列が行われています。

船を真近で鑑賞すると思いの外どれも新しい事を感じますが、それは第二次大戦時に爆撃にあったものを、タイの伝統遺産を蘇らせ後世に残すことを重要視し力を注いだ現国王の命によって、
修復・復元させたものであるからです。

数十名の漕ぎ手によって渡るこの船は船首・胴・船尾を金箔や硝子タイル・漆絵でそれぞれが見事なまでに飾り付けてられており、その文様は全てが「スパンナホン」や「ガルーダ(鳥神)」などヒンドゥー教や神話の神々に由来したモチーフとなっています。よって船を鑑賞するというよりも、数十メートルもある宗教美術品・芸術品を観るといった感覚なため、私には何度行っても飽きないほどとても興味深い博物館です。
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          【 The Asura-Vayuphak Barge 】 ~阿修羅神~
           幅 2.03m 長さ 31m 深さ 0.62m 漕手 38人 乗組員 17人
 「アシュラ神」とはサンスクリット語で「asu(命)」「ra(与える)」という太陽の善神だった神が、後に「a(否定)」「sura(天)」と訳され「非天」な神としてヒンドゥー教では大地を干からびさせる
悪者のイメージが定着したのだと。インドラ(ブラフマー / 梵天)神と常に戦闘の仲であり、こうしたことから戦の神ともなった。
このような背景から見てもアシュラ神の船首を持つこの船が、嘗てアユタヤ時代に戦闘船として川上にて手腕を振るった歴史を想像させます。
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 戦の神とは言えどもつぶらな瞳に愛嬌を覚えてしまいますが、口元を見れば立派な白い牙が
突き出ています。
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             【 The Anekajatibhujonga Barge 】
         幅 2.91m 長さ 45.67m 深さ 0.91m 漕手 62人 乗組員 5人
 ラマ5世時代に造られた船で、簡略化された船首のデザインから一見シンプルにも見えますが、実際近くで見ると胴部の「ナーガ(七つの首を持つ龍神)」の彫刻はどの船よりも複雑で繊細に彫り込まれています。また船の上部とは似つかわしくもなく感じる船底の明るい桃色は、実はラマ5世の王様カラーである桃色なのだと。
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 船首最上部の金箔部分にはちょっとお茶目な「ナーガ」の絵が削り込まれています。
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 船首とは対照的な雄々しい横顔の「ナーガ」彫刻。
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             【 The Anantanakaraj Royal Barge 】
                     ~アナンタ・ナーガ神(龍神)~
      幅 2.58m 長さ 44.85m 深さ 0.87m 漕手 54人 乗組員 18人 1914年作
      1981年に英国のWorld Ships Organisationから「船舶遺産賞」を受賞した船。
 「アナンタ」とは”無限”を表し「ナーガ」”龍神”である聖獣の船。この七つ(または複数)の頭部をつけたナーガはヒンドゥー教においては雨を降らせ洪水をも引き起こすという水を司る神であり、ヴィュヌ神の座部として有名です。また仏教においても、仏陀が坐禅をして修行を積む際に仏陀をとぐろの上に座させ、自らの頭部をうな垂れ仏陀を包み込み、雨風から守護する場面をよく目にします。
ちなみにヴィシュヌ神には二つの遣いがおり、ヴィシュヌ神が横たわって休むための「ナーガ」に
対し、空を移動する際には「ガルーダ(後述)」という聖鳥に乗ります。このようにナーガとガルーダはヒンドゥー教において「地」「天」や「女」「男」の様に対に考えられているようです。
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 今にも動き出しそうにリアルな龍の面々。ナーガの頭の上にもナーガ。その上にもナーガナーガが。
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 どこもかしこもナーガで覆い尽くされています。
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         【 The Garuda Hern Het Barge 】 ~ガルーダ神~
      幅 2.10m 長さ 28.58m 深さ 0.56m 漕手 34人 乗組員 7人 1968年作
 「ガルーダ」とはヒンドゥー教に登場する聖鳥で、母親同士の諍いが元で結果的に伯母の子であるナーガ(龍)を退治し食べる聖鳥へとなり、この時の勇敢なガルーダの戦闘ぶりに感銘を受けたヴィシュヌ神(宇宙の維持と発展の神)により、後にヴィシュヌ神の専用の乗り物へとなった。よってこの船首のガルーダも両手両足にはナーガを掴んでいます。

またタイ王国においては古くから国王はヴィシュヌ神やラーマキエン物語のラマ王の”生まれ変わり”であると考えられていることに由来し、ヴィシュヌ神の乗り物であるガルーダは現在王室の守護神となって国章にも適用されています。

ちなみにこの「ガルーダ」は日本では「迦楼羅(かるら)」と呼ばれ、不動明王の背後の炎「迦楼羅炎」はガルーダの吐く炎なのだそうです。身近なところにも「ガルーダ」の影はあったのですね。
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 勇ましくナーガを掲げるガルーダと、先ほどまでの船とは打って変って弱々しいナーガ。
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          【 The Suphannahongse Royal Barge 】
                 ~スパンナホン(聖鳥ホン / ハンサ)船~
          幅 3.17m 長さ 46.15m 深さ 0.94m 漕手 50人 乗組員 14人
 ラマ1世時代に造られたもののラマ6世期に再造船されたこの船は、現在最も由緒ある船としてラマ9世の専用船となっています。船の前方先端にある細長い黄金の鳥は「聖鳥ホン」。ヒンドゥー教”ブラフマー神(梵天)”の乗り物です。

1911年、このスパンナホン船が仕上がった際、この船を手掛けた名匠は自身の全ての技をここに集約しその後二度と船職人の座には戻らなかったとの言い伝えもあるそうです。それほどまでのこの船の姿、凛と正面を見据える頭部からは気品を感じます。またその船の川を渡る姿は、
50名もの息のあった漕ぎ手の「オール(水かき棒)」がまるでホンが翼をはためかす姿のように見えるのだとか。一度見てみたい情景ですね。
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 何とも美しく端正な横顔。
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   【 The Narai Sons Suban H.M. King Rama Barge 】
                   ~ナーラーイソンスバン・ラマ9世~
          幅 3.20m 長さ 44.30m 深さ 1.10m 漕手 50人 乗組員 14人
                 ラマ9世の王位50周年に建造された記念船
 先述のガルーダ(ヴィシュヌ神を守る乗り物)とラマ9世(ヴィシュヌ神の生まれ変わり)。
この大そう立派な御座船を見れば、現在の国王がどれだけ国民の信頼を集め敬愛されていらっしゃるのかが伺えます。
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 ガルーダにまたがるヴィシュヌ神の頭部を見れば仏塔型の冠を被っています。これが正にタイの国王を表す証し。また向かって左の手には「チャクラー / 円盤(武器)」「棍棒(権力の象徴)」、右手には「ホラ貝(神々を呼び起こし魔を退散させる)」とビシュヌ神の持ち物を携えているのですが、あと一つ右手に持っているはずの「蓮華」が見当たらず、代わりにシヴァ神が持つ「槍 / 三叉戟(げき)(愛・行い・知恵の象徴)」らしきものが・・・これは現在の私には謎です。
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 せっかくなので足元もゆっくり見ると、やはり高貴な身分の方の履物を履いています。
右はがっしりとナーガを掴むガルーダの足。爪が鋭いです。
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            【 The Krahi Prab Muang Mara Barge 】
                       ~ハヌマーン猿将軍~
          幅 2.10m 長さ 28.85m 深さ 0.56m 漕手 36人 乗組員 17人  1967年作
 何度も紹介しておりますハヌマーン。インドの「ラーマキエン物語」にて妃をさらわれたラーマ王が鬼のトッサカンを成敗しに行く際にお供についていき活躍をした白猿です。
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 空高く雄々しく吠える姿。
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 将軍の名に相応しい精巧に造られた衣装に身を包むハヌマーン。こうして傍らで眺めると、今にも動き出しそうな素晴らしい出来映え。
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             【 The Ekachai Hern Hao Barge 】
          幅 2.06m 長さ 29.76m 深さ 0.60m 漕手 38人 乗組員 6人
 船全体を黒漆で覆い、そこに金の蒔絵で描かれた神話上の獣。鋭敏な牙を生やす大きな口の中に結晶玉を咥えるその獣は龍にも見えますが詳細は分かりません。しかし何の動物であれ
その重厚感溢れる船の素晴らしさには変わりがありません。
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         参考資料 : タイ王室海軍HP
| タイの博物館 | COM(0) |
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